「社会の安全を守る仕事がしたい」「人の更生を支えたい」
そんな熱い想いを胸に「刑務官」という職業に興味を持ったものの、漠然とした不安やネガティブなイメージから、受験への一歩を踏み出せずにいる。
あなたも、そんな一人ではないでしょうか。
「危険な仕事なのでは?」「精神的にきつそう…」「閉鎖的な職場で、人間関係が大変そうだ」
インターネットやメディアから断片的に伝わる情報が、あなたの決意を鈍らせているのかもしれません。
しかし、その不安の多くは、刑務官という仕事の表面的なイメージから生まれた誤解や偏見に基づいている可能性があります。
この記事では、刑務官という仕事のリアルな姿を多角的に掘り下げ、あなたが抱えるであろう不安や疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
知られざる仕事の魅力ややりがい、充実した待遇、そして意外と開かれている採用への道。
この記事を読み終える頃には、あなたの心に立ち込めていた霧が晴れ、刑務官への挑戦が、より現実的で魅力的な選択肢として見えてくるはずです。
あなたのキャリアの可能性を、不確かな不安だけで閉ざしてしまうのは、あまりにもったいない。
さあ、一緒に刑務官の世界を覗いてみましょう。
目次
1. 刑務官の仕事とは?- 単なる「看守」ではない、その多様な実像

多くの人が「刑務官」と聞いて思い浮かべるのは、冷たい鉄格子の向こうで受刑者を監視する「看守」の姿かもしれません。
しかし、その実態は、はるかに専門的で多岐にわたる業務を担う、社会復帰支援のプロフェッショナルです。
刑務官の主な勤務地は、全国の刑務所、少年刑務所、そして拘置所です。
その使命は、単に被収容者を施設内に留めておくだけではありません。
施設の安全と規律を維持し、被収容者一人ひとりが自らの罪と向き合い、社会復帰への意欲を高められるよう、様々な指導や支援を行うことが、その本質的な役割です。
具体的には、以下のような業務があります。
•生活指導: 規律正しい生活習慣を身につけさせるための指導や、悩み事に対する助言を行います。
•職業訓練・作業監督: 刑務作業の監督や、出所後の就労に役立つ溶接、木工、印刷などの職業訓練の指導を担います。
•保安・警備: 施設の巡回や点検、被収容者の逃走や事故の防止など、施設の安全を維持します。
•教育活動: 改善指導や教科指導を通じて、被収容者の内面の変化を促します。
•事務作業: 受刑者の処遇に関する記録や報告書の作成など、デスクワークも重要な業務の一部です。
さらに、刑務所の組織は、これらの業務を円滑に進めるために、いくつかの部門に分かれています。
例えば、施設の運営全体を支える総務部、被収容者の処遇全般を担当する処遇部門、教育プログラムなどを企画する企画部門、そして被収容者の健康を管理する医務課などです。
このように、刑務官の仕事は非常に幅広く、それぞれの部署で専門性を発揮することが求められます。
あなたが持つ個性や能力を活かせる場所が、きっと見つかるはずです。
僕も現役刑務官の時は、常に被収容者を処遇する部署にいたわけではなく、事務系の仕事をしていた時期もありました。刑務官業務は多岐にわたっているので、長所を活かせる部署への配属もあるかもしれません。
2. その不安、徹底解剖!刑務官の「リアル」に迫る

仕事の概要がわかっても、具体的な不安が消えるわけではありません。
ここでは、多くの受験希望者が抱えるであろう3つの大きな不安について、具体的なデータや情報を基に、その実態を明らかにしていきます。
不安1:「危険で、常に身の安全が脅かされる仕事ではないか?」

被収容者と至近距離で接する仕事である以上、危険が全くないとは言い切れません。
しかし、法務省・矯正局は、職員の安全を確保するために、万全の体制を整えています。
まず、採用後の研修で、護身術といった、万が一の事態に対応するための実践的な訓練を徹底的に行います。
これにより、職員は自信を持って現場に臨むことができます。
監視カメラや警報システムといった物理的な安全設備も導入されています。
何よりも重要なのは、刑務官が被収容者と築く「信頼関係」です。
日々の生活指導や対話を通じて、高圧的ではない、毅然としつつも人間味のある態度で接することが、結果として無用なトラブルを防ぎ、職員自身の安全を守ることにつながります。
多くのベテラン刑務官は、「危険なのは、相手を理解しようとせず、力だけで押さえつけようとするときだ」と語ります。
専門的な知識と技術、そして人間的なコミュニケーション能力こそが、最大の安全対策なのです。
僕は若い頃に勢いだけで処遇していた時期がありましたが、年を重ねるにつれて、もっと大切なことがあることに気づきましたね。
不安2:「精神的にきつい仕事ではないか?ストレスは大きい?」

人の罪や過去と向き合い、時には理不尽な言動に耐えなければならない場面があることも事実です。
感情をコントロールし、冷静に対応することが求められる「感情労働」としての側面は否定できません。
しかし、その精神的な負担を上回る、大きなやりがいと達成感があることも、この仕事の紛れもない真実です。
多くの刑務官がやりがいを感じる瞬間、それは「人の変化」を目の当たりにした時です。
反抗的だった被収容者が、心を開き、真剣に自分の将来を考え始める。
仕事のことを真剣に考えたことがなかった人が、心を入れ替えて真面目に働くことを誓うようになる。
職業訓練で得た技術に自信を持ち、出所後の目標を語るようになる。
そうした瞬間に立ち会えることこそ、この仕事でしか得られない、何物にも代えがたい喜びです。
もちろん、一人で悩みを抱え込む必要はありません。
職場には、同じ経験をしてきた上司や同僚がいます。
辛い時、悩んだ時には、お互いに相談し、支え合う文化が根付いています。
また、定期的な面談やカウンセリングなど、メンタルヘルスをサポートする体制も整備されています。
僕も一人で思い悩んだ時期はありましたが、やはり同期採用の人たちと励ましあって、そういう危機を乗り越えたりしました。厳しい環境ですが、温かい人も多いと思います。
不安3:「公務員だけど、給与や待遇は良いの?ワークライフバランスは?」

公務員である刑務官は、その身分が安定しているだけでなく、給与や福利厚生の面でも非常に恵まれています。
人事院の調査によると、刑務官を含む公安職俸給表(一)が適用される職員の平均年収は約666万円と、国家公務員の中でも比較的高水準です。
もちろん、これは平均値であり、年齢や階級によって変動しますが、安定した収入が保証されていることは大きな魅力です。
| 項目 | 内容 |
| 平均年収 | 約650万円~700万円 |
| 平均給与月額 | 約40万円 |
| 初任給(高卒程度) | 約25万円~30万円程度 |
| ボーナス(期末・勤勉手当) | 年間 約4.3カ月分 |
勤務体系については、24時間体制の施設であるため、夜勤を含む交替制勤務が基本となります。
しかし、勤務時間は1週あたり39時間程度と定められており、勤務と休息のメリハリはしっかりしています。
年間20日間の年次休暇のほか、夏季休暇や結婚休暇などの特別休暇も充実しており、プライベートな時間を確保することも十分に可能です。
実際に、趣味や家族との時間を大切にしながら働いている職員も数多くいます。
「閉鎖的」というイメージとは裏腹に、近年はワークライフバランスの推進にも力が入れられており、男女問わず働きやすい職場環境づくりが進められています。
厳しい環境ではありますが、給与と休み、福利厚生は充実しています。
3. 刑務官になるための道 – 試験は本当に「狭き門」なのか?

「公務員試験」と聞くと、非常に難易度が高いイメージがあるかもしれません。
しかし、刑務官採用試験は、他の行政系の公務員試験と比較すると、決して「狭き門」ではありません。
試験の難易度は「高校卒業程度」とされており、基礎的な学力があれば十分に合格を狙えます。
実際に、人事院が公表しているデータを見ると、倍率は比較的低く、近年は2~3倍程度で推移しています。
合格ラインも、おおむね5割程度の得点とされており、満点を取る必要はありません。
試験は、第1次試験と第2次試験に分かれています。
【第1次試験】
•基礎能力試験(多肢選択式): 知能分野(文章理解、判断推理など)と知識分野(社会科学、人文科学、自然科学など)から出題されます。高校までに学んだ基礎的な内容が中心です。
•作文試験: 課題に対する理解力や文章による表現力が問われます。日頃から社会問題に関心を持ち、自分の考えをまとめる練習をしておくことが有効です。
【第2次試験】
•人物試験(面接): 刑務官としての適性、コミュニケーション能力、人柄などが評価されます。なぜ刑務官になりたいのか、という熱意を自分の言葉で伝えることが重要です。
•身体検査・体力検査: 職務遂行に必要な健康状態と体力をチェックします。体力検査では、立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こしといった種目が課されます。
注目すべきは、配点です。
基礎能力試験が全体の約57%(4/7)を占める一方で、人物試験(面接)が約29%(2/7)、作文試験が約14%(1/7)と、学力以外の要素も非常に重視されていることがわかります。
つまり、単に勉強ができるだけでなく、誠実な人柄や、人と向き合う力、困難な状況にも冷静に対処できる精神的な強さといった、人間性が合否を大きく左右するのです。
学力に自信がないと感じている人でも、あなたの人間的な魅力で十分にカバーできる可能性があります。
刑務官採用試験はとにかく早めに準備を進めると、かなり有利になります。
4. 未来へのステップ – 充実の研修制度とキャリアパス

「経験も知識もないのに、いきなり現場でやっていけるだろうか…」
そんな心配は無用です。
刑務官として採用された後は、まず全国に8カ所ある矯正研修所で、約2カ月間にわたる初等科研修(現場研修を含めると約8ヶ月)を受けます。
ここでは、刑務官として必要な基礎知識と技能を、同期の仲間と共にゼロから学ぶことができます。
研修内容は、憲法や刑法といった法律の知識から、教育学、心理学といった専門知識、さらには護身術や体育といった実技まで、非常に多岐にわたります。
この研修を通じて、職務への理解を深め、自信を持って現場に立つための土台を築くことができるのです。
現場に配属された後も、キャリアアップのための道が用意されています。
選抜試験を経て、施設の幹部候補生を育成する中等科研修や、さらに上級の高等科研修などに進むことも可能です。
努力と実績次第で、施設の運営を担う重要なポジションを目指すことも夢ではありません。
5. もっと知りたい!刑務官の仕事 Q&Aコーナー

この記事を読んでも、まだ具体的な疑問や不安が残っているかもしれません。ここでは、多くの方が抱くであろう質問に、Q&A形式でお答えします。
Q1. 武道の経験が全くありません。体力にも自信がないのですが、大丈夫でしょうか?
A1. 全く問題ありません。採用試験の「武道区分」で受験する場合を除き、武道の経験は必須ではありません。採用後の初等科研修で、護身術や武道(柔道または剣道)の基礎をゼロからみっちり学びますので、ご安心ください。体力検査も、高校の体力測定レベルの内容であり、日頃から軽い運動を心がけていれば十分にクリアできる基準です。大切なのは、これから体力をつけていこう、技術を身につけようという前向きな意欲です。
Q2. 女性でも刑務官として活躍できますか?どのような仕事を担当しますか?
A2. もちろんです。現在、多くの女性刑務官が全国の施設で活躍しています。女性の被収容者がいる施設では、女性刑務官が生活指導や保安業務などを担当します。また、男性施設であっても、被収容者の社会復帰支援に関わる企画部門や、医療・福祉関係の部署、さらには施設の運営を支える総務部門など、女性がその能力を発揮できるフィールドは非常に広いです。産休・育休制度も整っており、多くの女性職員が仕事と家庭を両立しながらキャリアを築いています。
Q3. 転勤は多いのでしょうか?勤務地は選べますか?
A3. 刑務官は国家公務員ですので、全国転勤の可能性があります。しかし、採用時に希望する勤務地を管轄する「矯正管区」を選んで受験することができます。採用後は、基本的にはその管区内での異動が中心となります。もちろん、本人の希望や家庭の事情なども考慮されますので、一方的に遠隔地への転勤を命じられるケースばかりではありません。様々な地域の施設で経験を積むことは、キャリアアップにも繋がる貴重な機会と捉えることもできます。
Q4. 職場の雰囲気は、やはり厳しいのでしょうか?上下関係など、人間関係が心配です。
A4. 規律を重んじる職場であるため、一定の厳しさや階級制度は存在します。しかし、それは安全を確保し、組織として円滑に業務を遂行するために必要なものです。理不尽な厳しさや、旧態依然とした体育会系の雰囲気をイメージしているのであれば、それは少し違うかもしれません。特に近年は、職員同士のコミュニケーションを重視し、風通しの良い職場環境づくりが進められています。現場ではチームで動くことが基本であり、困難な場面では上司や同僚が必ずサポートしてくれます。研修所の同期との繋がりも、全国に仲間ができる心強い財産になります。
Q5. 被収容者と話すのが少し怖いです。うまくコミュニケーションが取れるでしょうか?
A5. 最初は誰でも不安に感じるものです。しかし、大切なのは「うまく話す」ことよりも、「誠実に向き合う」姿勢です。採用後の研修では、被収容者の心理や、効果的な対話の方法についても学びます。現場では、先輩職員の対応を間近で見ながら、少しずつ経験を積んでいくことができます。一人でいきなり難しい対応を任されることはありません。あなたの真摯な態度は、必ず相手に伝わります。
まとめ:不安の先にある、社会を支える大きな使命

これまで見てきたように、刑務官という仕事は、多くの人が抱くイメージとは異なり、多様な業務内容、充実した待遇、そして万全のサポート体制が整った、非常に魅力的な職業です。
もちろん、決して楽な仕事ではありません。
しかし、人の更生という、最も困難で、最も尊い瞬間に立ち会い、社会の安全という大きな使命を背負って働く日々の先には、他の仕事では決して得ることのできない、計り知れないほどのやりがいと誇りが待っています。
もし、あなたの心の片隅に、社会のために尽くしたい、人の役に立ちたいという想いが少しでもあるのなら、その可能性に蓋をしないでください。
漠然とした不安に足踏みするのではなく、まずは一歩、前に踏み出してみませんか。
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