こんにちは。
さやだんです。
僕が刑務官時代に一番思い出したくない黒歴史の一つが、コロナ騒動です。
施設の職員にコロナ感染者が出ただけで、刑務所中が大騒ぎ。
コロナ騒動の真っ只中、僕は某少年院と某刑務所に勤務していて、本当に苦労しました。
「本当にこんなことまでしなくてはならないのか」
という疑問を持つ日々でしたが、お話しできる範囲でお話ししたいと思います。
職員がコロナになるともう大変!!
職員がコロナ感染の報告をすると、刑務所中が大騒ぎになります。
その職員が出勤していた頃に、その職員に接触していた職員は、全員出勤停止になります。
そうなると、その日以降、すでに組まれていた配置も全て変更になるというわけです。
つまり、配置主任が汗水垂らして組んでいた配置が全てパーになり、新たな配置を組むために配置主任はどんどん疲弊していきます。
接触していたとはいえ、体調も良く、ピンピンしている職員さんまで出勤停止になるので、配置主任からすればたまらない事態ですよね。。。
そして、出勤できる職員が足りなくなるので、本来休みのはずの職員さんも出勤せざるを得なくなり、無理が祟って、その職員さんも体調を崩すという悪循環に陥ってしまうのです。
刑務官の方であれば、このカオスな状況はすぐにご理解いただけると思います。
あの当時、僕は、「配置主任じゃなくてよかった〜」と、毎日ホッとしていたことを思い出します。
ちなみに、当時の僕は、外部交通の主任をしていました。
外部交通担当は日々、発信及び受信の手紙を一通一通丁寧に検査をしているので、の職員の一人がコロナを疑われる症状になったとき、その職員さんと近い距離にいた人はみんな出勤停止になる始末。。。
外部交通は、手紙がなくならないようにアクリル板で仕切られたブース内での勤務となるため、そのブースにいた人たちはみんなアウトってわけです。
「そこまで厳密にやらないといけないの??」
って、僕は思ってたけど、やはり上司からの指示は絶対なので多少は不満を感じながらやっていました。
刑務所でのコロナ騒動は、「ここまでやるの!?」というくらい厳しいです。。。
面会だって大変!!
刑務所は、基本的に外部の人たちとの接触はNGですが、いろいろな制約はあるものの、面会することは可能です。
テレビドラマなどでも見たことがある人もいるかもしれませんが、刑務所の面会室は、穴が空いたアクリル板で仕切られています。
コロナ禍では、そのアクリル板に空いている小さな穴も塞がれて、お互いの呼気が触れ合わないようにされていました。
「そうしちゃうと、お互いの声が聞こえにくくなるんじゃないの??」って思いますよね?
その対策として、ワイヤレススピーカーとマイクを受刑者と面会人がそれぞれ持ち、それを解消するってわけです。
コロナ一つで大変な騒動です。。。
僕も外部交通主任だったので、第一統括とともに、設置したのを覚えています(笑)
手紙の交付だって大変!!
受刑者に宛てられた手紙の交付に関して、コロナ禍では刑務作業はお休みとなっているので居室棟での交付になりますが、基本的には、居室棟で定点配置となっている防護服を着た職員が担当することになります。
もちろん、防護服はとても暑い上に、ゴーグルまで装着しているので、現場職員の負担は半端ないです💦
さらに、交付の際も職員は手袋をして、アルコールスプレーで消毒してから手紙を交付するので時間もかかって仕方ありません。
もっと言うと、外部交通の職員が、現場の職員に手紙を引き渡すだけでも、一苦労なのです。
もちろん、受刑者から発信する手紙を回収する作業も同じです💦
「コロナ禍で面会には行けないけど、せめて、手紙だけでも」
と考える受刑者のご家族も少なくないので、手紙の通数も増えて、職員の負担増となるわけです。
コロナ対応は大変ですけど、今となってはちょっとやり過ぎではと思わなくはないです(苦笑)
受刑者の食事も大変!!
↑↑↑もちろんこんなにゴージャスな食事は出ません(笑)
コロナ禍では、刑務作業もストップしますが、もちろん、経理作業(炊場、洗濯、内掃など)も例外ではありません。
特に、炊場がストップすると受刑者の食事の手配が大変なのです💦
その場合、朝から夕方まで外注弁当になるのですが、業者の手配、人数分の食事の確保などなど、用度課の職員さんもその対応に追われる始末です。
ただ、受刑者の中には、
「いつもと違う食事を食べられてよかった」
「自分たちのために食事を用意してくれて感謝です」
という人もいたので、社会復帰に向けて頑張って欲しいですね。
ワクチン接種も大変!!
コロナワクチンの接種券は、受刑者にも交付されていました。
つまり、刑務所の中で接種するということです。
受刑者の家族から接種券が郵送されて、刑務所で接種手続きを行うというものでしたが、いかんせん人数が多かったので、手続きもなかなか大変でした。。。
集団で接種するので、刑務所内の講堂や体育館のような集団行事が催される場所で会場設営、予防接種の注射を打つ医療従事者の確保、日程調整、受刑者をどのように連行するのか、その職員の配置などなど、ワクチン接種一つで、刑務所全体に関わる一代行事となりました。
それから、副反応による体調不良者の処遇も発生するなど、これまで起こり得なかった事態で、職員みんな苦労したのです。
こんなことはもうそんなに起こらないでしょうけど、有事の際の備えは大事ですね💦