こんにちは。
さやだんです。
刑務官になりたての人、これからなろうとしている人にとって、一つ気がかりなのが、
「武道訓練」
ではないでしょうか??
これまで柔道か剣道のどちらかの経験があれば迷うことはないでしょうけど、全くの素人さんであれば、ここは慎重に選んでいきたいですね。
なぜかと言うと、最初の選択を間違えると、刑務官を続ける限り、ずっと同じ種目になってしまうからです。
途中で、
「やっぱり柔道にしとけば良かったな〜」
と思っても、特別な理由がなければ、ホイホイと変更できませんし、変更して欲しいと部長に言うと、とても気まずい空気が流れてしまいますし、最初によ〜く考えてから決めましょう。
そして、刑務官にとっての武道訓練は、勤務成績を上げる材料としてもとても良いので、継続可能な方を選択するといいと思いますよ。
特に初心者で、新拝命の方は、武道奨励大会という武道大会出場を目指すといいかもしれません。厳しい練習に耐えなければなりませんが、きっといい思い出にもなるはずです。
目次
未経験者が武道を選択する時のポイント
武道を選ぶと言っても、全くの素人にとって、どっちが自分に向いているのかを考えて選ぶことが難しいですよね。
何も考えずに選ぶと、後々、きっと後悔する結果にもなりかねません。
武道未経験の方が柔道・剣道のどちらかを選ぶポイントとして、以下にまとめました。
それぞれのポイントをよく見て、選ばれる際の参考にしてみてくださいね!
1:費用を考える
特に剣道の場合、とにかく、初期投資にお金がかかります。
最近はネット通販で、素人向けのビギナーセット(面、胴、小手のセット)が安い値段で買えたりしますが、それでも、3万円以上はかかります。
そして、道着と袴。
これらもピンキリですが、安いものでも上下で1万円はかかると思っておいていいでしょう。
しかも、竹刀はピンキリですけど、素人向けのものでも普通に3,000円以上はしますし、激しい練習の時期は破損したりします。
もちろん、道具を揃えても、練習の際に竹刀はササくれたり、折れたりします。
そのたびに買い替えたりしていると、本当にお財布に優しくありません。
ここまで、ざっと計算すると、4万円以上はかかります。
もし、剣道を選択すると、柔道よりお金がかかってしまうことをよく理解しておきましょう。
ちなみに、柔道だと柔道着のみなので、初心者だと1万円で道着を買ってもお釣りがきます。
武道、特に剣道は、とにかくお金がかかります。
費用面を重視したい方は、柔道の方がいいかもしれませんね。
2:けがのことを考える
僕が刑務官の現役時代、武道訓練には力を入れていましたけど、その中で一番怖いのはやっぱりケガです。
ケガをしてしまうと、場合によっては現場に入れなくなりますし、周りの職員さんにも迷惑をかけるし、いいことは一つもありません。
さて、そんなケガですが、剣道と柔道を比べてみた場合、深刻なケガになりやすいのは、柔道だと思います。
脱臼、骨折、捻挫、そして、受け身の失敗による頭部へのケガなどなど、真剣になればなるほど、大きなケガも多いように見られました。
柔道中の事故で半身不随になるケースや、警察学校での柔道訓練中に命を落とすという悲しい事故もあるので、このあたりの事情もよく見ておきましょう。
逆に、剣道は防具をつけていますし、相手を投げ飛ばす競技ではないので、日常生活に支障を及ぼすケガはあまり聞いたことがありません。
突きを外されて、首あたりにアザができることはよくありますけどね(笑)
あと、アキレス腱断裂はあり得るので、練習前にはしっかり伸ばしておきましょう。
柔道中の事故はテレビのニュースでも見ることがあります。
やっぱり深刻なケガに結びつくことを考えると怖いですね。。。
3:剣道は夏が地獄
夏はどこに行っても暑いのは当たり前ですが、剣道の防具をつけて道場に立っているのは本当にきついです💦
面は顔に密着して通気性は抜群に悪くて重いし、小手もつけてると動きにくくて暑いし、その上、激しい動きをするのは、なかなか体に応えます。。。
しかも剣道はなかなか水分補給が難しい競技なので、僕は一度も練習中に水分を補給したことがありません^^;
剣道中に熱中症になる職員さんも少なくなく、僕も一度熱中症にかかったことがありました^^;
やっぱり、剣道防具で暑さがより一層厳しくなっているのかもしれませんね。
手足に力が入らなくなって、頭がフラフラしたりするなど、無理をすると危険な状態にもなりかねません。
反対に、柔道では、あまり熱中症のような症状のある職員さんを聞いたことがありません。
剣道防具、面と小手は洗いたいけど普通洗わないので、夏場はいろんな意味で地獄ですね。。
4:矯正護身術のキレを磨きたいなら柔道
刑務官は、必ず矯正護身術という、襲いかかってくる相手をケガさせずに制圧する武道訓練を行わなければなりません。
その訓練は柔道着を着て、受け身を取ったり、相手を投げ飛ばしたりするなど、柔道に近い動きをする場面も多いです。
なので、矯正護身術をずっと頑張りたいという方にとっては、実際の現場でも矯正護身術で被収容者を制圧する場面も少なくないので、剣道より柔道の方がいいのかもしれません。
矯正護身術では、受け身の動きが特に重要なので、柔道でキレをつけていくといいでしょう。
矯正護身術は、受け身が上手にできれば、型がとてもきれいに見えますからね。
矯正護身術の技に磨きをかけたい方は、柔道がいいかもしれません。
5:競技人生を考える
柔道も剣道も相当な体力と精神力が求められます。
現役の選手にこだわるとすれば、柔道はそんなに長くは続けられないでしょう。
しかし、剣道に関しては、選手人生が長いように見受けられます。
僕が実際に刑務官として武道場で稽古をしていた際、一般の方も時々練習に来られていたことがありましたが、高齢者の剣道家が来られていたことも少なくありませんでした。
僕が見てきた限りでは、シニアの方も多かったので、健康のためにも続けていきたいと考えているのであれば、剣道は生涯スポーツなのかもしれませんね。
僕が思うに、剣道は生涯スポーツだと思います。
還暦を迎える人でも稽古を続けていますもんね!素晴らしいです!
結局、素人は柔道を選ぶべき?剣道を選ぶべき?
僕の答えは、
矯正護身術で上級を狙いたいのであれば柔道
大きなケガなく、できるだけ長く競技人生を楽しみたいのであれば剣道
です。
柔道も剣道も、それぞれに素晴らしい魅力はありますし、それぞれに長所や短所はあります。
申し訳ないのですが、正直、どちらが良くて、どちらが悪いのかはわかりません。
ただ、ご自身の直感で、
「剣道してみよっかな〜」
「柔道も楽しそうだな〜」
とか、このように感じられたのであれば、その道を信じて進んでみてはいかがでしょうか?
きっと、うまく行く気がしますよ。