刑務所の手紙のルールはややこしい!検査を行う書信業務の紹介!


こんにちは。


さやだんです。


今日は、刑務所から発信される手紙と刑務所の受刑者宛に送られる手紙についてのお話です。


この手紙に関するルールはとてもややこしくて、僕は二度とやりたくないです(笑)


刑務官業務に興味を持たれている皆様におかれましては、このページだけでなく、実際の根拠法令なども合わせて読まれるとより理解が深まると思います。


これから刑務官のお仕事を始められる方は、よく調べておくことをお勧めします。



手紙の検査は刑務官の大事な仕事。その分、大変なことも特に多いんです。。。


刑務所の手紙って誰とでもやり取りできるの??


基本的には手紙のやり取りは、受刑者さんが申告した相手と行うことができます。

(あとで追加申請はできます。)


ちなみに、手紙を出す相手を申告する人数に制限はないのですが、新入受刑者がこの段階で、たとえば、たくさん友達を申請していたら、


「なんで今こんなに多くの人とやり取りする必要があるの??」


「刑務所には友達と手紙のやり取りするために来たの??」


「友達との近況報告のやりとりが君の矯正処遇にどれくらい必要なの??」


「君の社会復帰が最優先だから友達とはそのあとでも遅くないんじゃないの??」


など、結構突っ込まれたりします。


切手や便箋、そして、封筒は全部自腹だから、余計なお金をかけすぎないようにアドバイスをしてるってこと。担当刑務官さんは受刑者のことを思って言ってくれてるね!


他には、犯罪性のある人や本人の矯正処遇の適切な実施に支障がある人からの手紙であれば、本人が受け取れなかったりするのですが、見極めたり、禁止の判断を下す幹部も難しいようです。


ちなみに、犯罪性のある人からの手紙でも、その人が親族であれば、手紙は受け取ったり、その人へ発信することもできます。


つまり、自分の家族が刑務所に入っている場合でも、刑務所にいる者同士での手紙のやり取りは可能ということです。


受刑者は刑務所から手紙をいつでも出せるの??


受刑者が手紙を出せる通数は、どんな受刑者でも最低でも、1ヶ月に最低でも4通は許可されます。


なので、月の初めに出し過ぎたら、後半は手紙が送れなくなっちゃうので、受刑者もよく考えて出すようにしているみたいです。


計画的に手紙を出すように、そして、切手代を大切にするように日々刑務官が指導してるんですよね。


僕のいた刑務所で、月初めに日記のような手紙を出しまくってた受刑者が、月の後半に入り、重要な内容の手紙を出せなくなってしまって、工場担当から、発信通数と優先事項をよく考えて発信するよう指導を受けている受刑者がいました。


ただし、工場ごとに何曜日が発信日か、刑務所によって決められているので、その曜日に発信を申し出るという流れです。


もちろん、超緊急の案件がある場合は、工場担当の刑務官にその旨を申し出て、発信日に該当しない日であっても調整してもらうようになっています。


ちなみに、生活態度が良好な受刑者は、1ヶ月に発信できる手紙の数が増えていきますが、婚姻の調整や出所後の仕事の関係で、どうしても出さなくてはならない手紙である場合は、カウントされません。


このように、刑務所の手紙のルールは本当にややこしいし、細かいので、この業務に就きたがる刑務官は少なかったです。


受刑者宛に来る手紙は通数に制限はあるの??


受刑者宛てに来る受信の数に制限はありません。


これはコントロールできないからです。


ちなみに、たくさん来たところで、発信通数制限があるから、返信できなかった人から、無視されたと思われることもあるみたいです。。。。


大変ですね・・・・。


僕が刑務官だった頃、毎日のように手紙が来る受刑者さんがいたけど、いつも送ってくれて感謝している様子だったね。社会復帰には手紙はいい効果があると思います。


他の誰かに宛てた便箋を同封することは可能??


これは、基本的には認められません。


これをいつでもOKにしてしまうと、同じ通数で複数人への手紙を発信することとなるので、認められないのです。


しかし、例えば、同じ家に住むお父さんとお母さんにそれぞれの手紙(両方合わせて便箋7枚以内)を書いて、1通の手紙として出すのは可能です。


全然住所が違って、しかも続柄が友人である人に宛てた便箋の同封は、よほどの理由がなければ認められません。


他には、伝言も基本的には簡単なものを除いては認められません。


理由は、同封文と同じです。


受刑者の社会復帰への第一歩は、「ルールを守ること」。だから、ややこしくても、しっかりルールを守ってほしいよね!!


手紙ってどんな内容でも書いていいの??


手紙は全部厳しく検査されます。


何でも書いていいかというと、そうではありません。


相手を脅迫する内容であったり、明らかに虚偽のことで相手を不安にさせる内容などは書くことができません。


もし、そういう書き込みがあれば、根拠法令に従い、審査を受けて、不許可となる場合もあります。


手紙というと、受刑者からすれば一日も早く出したいものだから、審査を受けたりとか、ビミョーな内容で時間を取られたくない人がほとんどなので、あまりスレスレの内容を書く人は少ないようです。


(まあ、収容されている受刑者によると思いますけど)


ちなみに、1通の手紙に同封できる便箋の枚数や便箋1枚にかけるおおよその文字数も決められているのです。


信じられない話かもしれませんが本当です。


手紙ってどんな内容の手紙も届けられるの??


手紙は厳しく検査されます。


基本的には、

こんな内容はダメ

・矯正処遇の適切な実施に支障を生じる内容

・施設の警備に重大な支障を生ずる恐れがある内容

・著しく事実と異なる内容


などが記載されていないか検査されます。


もし記載されていたら、それは、成人矯正に関する法律に規定されている通り、該当箇所の抹消措置などが取られます。


なので、どんな内容でもOKというわけではありません。


でも、スレスレの手紙もあるし、矛盾点も出てくるかもしれないし、本当にすごくややこしいんですよ。


刑務所の手紙に関するルールは。。。。。


また、中には、離婚届が入っていたり、訃報が伝えられる内容であったり、受刑者の心理に大きな影響を与えるような内容が書かれている場合もあって、そういう手紙を本人に手渡した日の夜は行動をよく見るようにしています。


訃報で泣き崩れる受刑者を見て、切ない気持ちになったことをよく覚えています。
罪を犯したとはいえ、同じ人間だと改めて思いました・・・・。



禁止者などからの手紙ってどうなる??


禁止者から送られた手紙は、基本的には受刑者の手に渡ることはありません。


禁止者と婚姻を結び、夫婦となったり、禁止者の会社で出所後に働くとか、婚姻や就労のための相当な理由があれば別ですが、基本的には、禁止者とは手紙のやり取りや面会はできません。


そして、その禁止者からの手紙に関しては、誰から来たかは伏せて、本人に対してどういった手紙が届いたかの告知を行います。


その後、その手紙を釈放時に読みたいか、もしくは必要ないかを本人に聞きます。


その時、もし本人が釈放時に読みたいといえば、釈放時に本人に手渡されます。


逆に、本人がもう必要ないと言えば、その場でその手紙を廃棄する手続きに入ります。


結局、本人の矯正処遇の適切な実施に支障があると判断した手紙なのに、釈放時に読みたいと言えば、それまでの事務処理にかかった時間はどうなるんだ〜と叫びたくなる瞬間でもあります(笑)


検査が終わった手紙はどうなる??


基本的に、毎日、夕方頃に、その日に刑務所に届いた手紙を受刑者に交付することになります。


特に連休明けや週明けは来信が多く、検査に時間がかかることが多いので、受刑者に配る作業も一苦労なんです。


実際、書信係というお手紙の検査を行う部署の刑務官が各工場まで検査の終えた手紙を配りに行きます。


ただ、この時に一番怖いのが、「誤交付」です。


あってはいけないことですが、違う受刑者に配ってしまうと、個人情報の漏洩となるので、刑務官たちはみんなこの作業の時は、さらに集中しています。


同姓同名の受刑者が同じ工場にいる場合など、とにかく最後まで気を抜くことができないのが、この書信業務なんです。。。。


まとめ

法令根拠を押さえた上で、いろんな過去の事例も踏まえながら、かつ、迅速に行わなければならない書信業務についてお話ししました。


とにかく、ルールも多く、複雑なので、間違った指導にもならないようにしなければなりません。


書信業務のポイント

・誰にでも手紙が書けるわけではない

・いつでも手紙が書けるわけではない

・月に出せる通数制限がある

・基本的に他の手紙を同封することはできない

・禁止者からの手紙は読むことができない

・手紙にはどんな内容でも書いていいわけではない


繰り返しになりますが、僕は二度とやりたくないです(笑)
でも、もうやらなくてよくなったので、ホッとしています(笑)


今日は最後まで読んでくださってありがとうございました!

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