刑務官の給料は安すぎて生活できないって本当!?元刑務官が語る

こんにちは。


さやだんです。


もう刑務官の方なら今更ながらの話ですけど、刑務官としてこれから生きていく上で、もらえる給料と年金、退職金、それから再任用制度など、これからのライフプランを考えるのに大事だと思うので、ここで、一挙に紹介していきますね。


今日は、ざっくりですけど、僕のケースも交えながら紹介しますね。


刑務官の給料関係、これから刑務官を目指そうとする人には気になるところですよね。


刑務官の給料は安すぎて生活できないって本当!?


刑務官の給料は、国家公務員の公安職俸給表(一)に規定されていて、この表に載っている金額が給料としてもらえます。


僕は、20代前半に刑務官に拝命し、手取りでも20万円以上はいただいていたので、給料が安すぎて生活できないってことはありませんでした(笑)


給与に見合った堅実な生活を送れば、十分生活できます!!ご安心くださいね。


むしろ、刑務官の官舎は、他の公務員と違って完全に無料なので、給料は高く感じるかもしれません。


さらに、公安職は行政職と違って、給料は高いのをご存知ですか??


公安職は、命の危険はあるかもしれませんが、その分給料も高くなっているんです。


なので、事務職と比較すると、生活がしやすいのはもしかしたら刑務官かもしれませんね。


ちなみに公安職の俸給表は、1級から10級までありますけど、級別の階級は以下の通りです。


1級 刑務所,少年刑務所若しくは拘置所の看守
 
 

2級 刑務官署の看守部長
 
 

3級 刑務官署の係長の職務又は副看守長
 
 

4級 刑務官署の課長補佐又は困難な業務を分掌する係の長の職務
 
 

5級 刑務官署の課長又は困難な業務を処理する課長補佐の職務
 
 

6級 刑務官署の困難な業務を所掌する課の長の職務
 
 

7級 刑務官署の部長又は特に困難な業務を所掌する課の長の職務
 
 

8級 刑務官署の長又は困難な業務を所掌する部の長の職務
 
 

9級 規模の大きい刑務官署の長の職務
 
 

10級 極めて規模の大きい刑務所又は拘置所の長の職務
 


一応、10級までありますけど、僕はこれまで、10級の人に出会ったことはありません。


また、例えば、東京の霞ヶ関、「法務省矯正局」での勤務になると、公安職ではなく、行政職となるので、俸給表は変わりますけど、給料は安くなります。


例えば、刑務官の方が、東京霞ヶ関の「法務省矯正局」で勤務することとなった場合、公安職から行政職へと変わるので、給料は若干下がるようです。。。


仕事量はかなり増えて、給料が下がるという現象を味わえます(笑)


ちなみに、刑務官のもらえる給与の範囲についてですが、以下の通りです。


1級 150,100円〜247,600円
 
 

2級 198,500円〜304,200円
 
 

3級 234,400円〜350,000円
 
 

4級 266,000円〜381,000円
 
 

5級 290,700円〜393,000円
 
 

6級 319,200円〜410,200円
 
 

7級 362,900円〜444,900円
 
 

8級 408,100円〜468,600円
 
 

9級 458,400円〜527,500円
 
 

10級 521,700円〜559,500円
 


1級とか2級とかいう書き方では、少々イメージしづらいかもしれないので、簡単に説明すると、

皆さんが思われているより、高いですか??安いですか??


ただ、何度も言いますが、家賃がかからない官舎に入居できるのは、お金の観点からすると、かなりありがたいお話です。

高等科へいかないケース

・1級の人が中等科試験に合格して看守部長になると2級

・2級の看守部長が高等科に行かずに6、7年過ごすと、3級で副看守長

・その3級の人が高等科に行かずに過ごすと、4級で主任副看守長

・中級管理科という研修を受けると、中等科卒でも統括矯正処遇官で5級以上へ


ちなみに、高等科まで出て勤務成績が優秀だと、トントン拍子に出世していきますけど、でも、もちろん責任も負担も大きくなるので、高等科受験はよ〜く考えた方がいいと思います。


また、最近は、中等科までしか出てないのに、統括矯正処遇官(中間管理職)まで出世するケースが一般的になりつつあります。


ちなみに、僕が退職直前までもらっていた給料ですが、上の俸給表の4級で、約36万円頂いていました。


それに、超過勤務手当、月2回程度の宿日直手当、単身赴任手当などを入れて、税金や長期掛金等を引かれて、大体、手取りで、約36万円ってところです。


普通の生活をするには十分な金額ですが、僕は単身赴任をしていたので、余計に生活費はかかっていました。


ちなみに、刑務官の給料日については、国家公務員になるので、毎月16日ですが、16日が土曜日の場合は15日になることもあります。


あと、給料でびっくりしたのが、僕は4月1日に採用されたけど、同月の4月16日に給料を支給いただけたことです。


これは民間企業では考えられないことですよね(笑)


やっぱり、国家公務員は恵まれているな〜って感じた瞬間でもありました。


国家公務員は、待遇面で言えば、もしかしたら民間企業よりもいいかもしれないけど、やっぱり仕事が自分に合ってるかどうかで選んだ方がいいかもしれないですね。


  • 行政職は公安職より安い
  • さやだんは、20年勤務、4級で約36万円
  • でも、残業多し

一応、ご参考まで。



刑務官の退職金はいくらもらえるの??

給料から退職金って、かなり飛躍しますが、退職金のお話です。

退職金をもらえる額については、職種や勤務成績、勤務年数などなど、総合的に見ないと算出できないですけど、僕のケースについてお話しすると、懲戒処分は一切なく、勤務成績も特に悪くもない20年間の勤務で、


約650万円


でした。


多いと見るか、少ないと見るかは個人の判断ですが、僕の場合、


税金から頂いたお金だったので、正直、額というよりも、


「そんなに国民から感謝されるほどのことはしてないと思うけどな〜。。。」


という気分になりました。


ちなみに、僕と一緒に勤務していた中等科も出ていない勤務歴約35年の副看守長さんの退職金ですが、約1,600万円だったとのことです。


一部ネットでは、2,000万円とも言われてましたが、よほどランクが上の方だと思います。


また、僕の先輩で、現役の刑務官の方(50歳、32年間勤務)の方で、中等科を出ていない副看守長で、仮に今退職したら約1,200万円もらえるとのことでした。(2023年5月現在)


この退職金に関しては、その人の勤務成績や勤務年数、そして、階級や号俸などを元に算出するものなので、一概にいくらもらえるとかはここでは言えません。



一応、上記、僕のケースを含めて参考にしてもらえればと思います。


  • 退職金は年々減ってきている
  • さやだんは、20年勤務で退職金約650万円
  • 退職金で2,000万円もらえる刑務官は超レア



刑務官にも再任用制度があるの??


最近は、年金受給開始年齢がどんどん先送りになる傾向があることから、再任用、つまり、60歳で定年退職、そして、年金受給が始まる65歳までのつなぎのために、再任用職員として勤務することができます。


基本的には、再任用を希望すれば、その希望通りに行くとのことなので、長く刑務官を続けたいという方にとっては夢のような制度です。


ただ、そこまで刑務官をしたくないという方も僕の周りで結構いるので、みんながみんなやりたいわけではないようです。


ちなみに僕なんて、定年退職まで持ちませんでしたけどね(笑)


再任用になると、給料も一気に下がるし、体はきついし、よほど刑務所が大好きか、特に他にやることがないから続けるという方が多いと思います。


また、最近では、定年退職を60歳から65歳に引き上げる動きも見えてきているので、刑務官を続けていると、さらに大変な時代がきそうですね。。。


正直、60歳過ぎてからの現場勤務は大変だと思います。。。
僕の場合、元上司が部下で来られて、やりにくいのなんの・・・・。


  • 再任用制度は60歳から65歳まで
  • 定年退職の年齢は65歳になるかも。将来的に70歳になる可能性も
  • 元上司が部下になることも


刑務官って年金はどれくらいもらえるの??


これは、刑務官だけに限らず、どこの公務員でも気になるポイントだと思います。


実際、これまで刑務官として30年以上頑張ってこられた方々でも、もらえる額は多くはないと聞きます。


僕の元上司で今年(2023年3月)を持って再任用期間も満了された方(刑務官キャリアが40年勤務)が、月にもらえる年金額が15万円とのことです。


何年生きたら元が取れるのかがわかりません。。。


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